aikoのステージを見たくなります-客席のこころわしづかみ
朝日新聞、4月28日夕刊より
21日のaikoの大阪城ホールのコンサート評論
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幕開けからaikoは全力疾走だ。
そして「せっかくの大阪城ホールやねんから、いっぱいしゃべろうね」と言うとおり、曲間にはたっぷりと客席に語りかける。
しかも、話の途中に客席から「アイコー」と声をかけられたら、そのたびごとに「ハイヨッ」と返事をするサービスぶり。
よく激しいロックコンサートでは、ボーカリストが部隊から飛び込む「ダイブ」という光景が見られるが、彼女の場合は、魂が客席にダイブしっぱなし。
観客ひとりひとりの懐にいきなり飛び込んでこころをわしづかみする。
その行為に対して客席は「カワイイ」と反応するのだろう。
みんな知っているのだ。
人の心をつかむにはまず、相手の懐に飛び込むことだと。そして、その行為を嫌みなく行うことは難しいことも。
ところが彼女は、その高等技術を見事にやってのける。みんな、その姿にあこがれる。
だがそこにいる生身のaikoは、そうやって人の心をつかむことは一生懸命やればだれにでもできることだと証明しようとするかのごとく全力で歌い、語る。
一曲一曲、まるで「人生はこの瞬間もドラマやねんで」と体を張って語りかけるかのように。
そして、観客は自分自身の人生もドラマであることをaikoから教えてもらう。
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コンサート、どれくらい行ってないんだろう。
一昨年のジョンレノン追悼コンサートに行って以来行ってないなぁ。
で、ここに書かれたaikoのコンサートのようなのに、まだ出会ったことがないかもしれない。
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このブログで時々『魂とはなにか』をとりあげるけれど、「魂が客席をダイブしっぱなし」というそういう状景、そういう空気の中にいたいな、共感したいな と思う「脇坂一彦・音楽ライター」のaikoのコンサート評論だった。
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