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2004.05.14

現実の現実

★「言葉」は、「うっ」「ぐっ」と唸らされた言葉を備忘録代わりに記述していこうとするもので、カテゴリー「心と体」に当面は蓄積していきます。
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 現実とは何だろうか(略)

 現実は多様である。
 企業家なら「地獄の沙汰も金次第」、
 学者なら「真理は必ず勝つ」
 法律家なら「法の網から逃れられぬ」、
 恋人同士なら「愛が人生のすべて」
 が現実だというかもしれない。

 これらの互いに矛盾した現実のうち、
 果たしていずれが正しいのか?
 --むろんすべてが正しいのである。

 社会学のシステム理論によれば、
 近代社会とは機能的に分化した社会だと言う。

 つまり、社会全体は、
 経済システム、学問システム、法律システム、家族友人システムなど
 機能ごとに沸かれた独立のシステム群から構成されている。

 それぞれの中では、経済、学問、法律、愛情に関するコミュニケーションが
 行われている。

 入学試験は学問システムに属するから、そこでは、
 「真理はかならず勝つ」が成立し、
 「地獄の沙汰も金次第」などと血迷うと手が後ろに回る羽目になる・・・。

☆  ★  ★

 5月13日朝日新聞 コラム「ヒト 科学21」より。
 西垣通 東大大学院情報学環教授の論文。

★  ★

西垣通著の「基礎情報学 -社会から生命へ」の周縁を書いているのだけれど、もともとの「基礎情報学」がとても良い本だし、だから引用したエッセイ(論文)も良いッス。

社会が断片化している様子をうま~く表現してくれている。

社会が断片化していて、それぞれのシステムの間を渡り歩くボクらは断片化したそれぞれの社会に適応するために多重人格化する。
そして引き裂かれてしまう自分を時折振り返って「本当のワタシって?」と統一・統合を求めため息をつく。

マスメディアが提供してくれる「現実のイメージ」を無自覚に信じ込み、「現実はこうなってるんだよ」というマスメディアの絵面を信じ込んでそれに添った統合されたワタシをなんとかねつ造して落ち着きを取り戻す。

しかしマスメディアが統一された現実を示せるわけはない。
マスメディアの表面的な情報パックにウヨに振れたりサヨに振れたりしてしまう。

この難題とその構造をうまく解き明かし、分裂し長期の生き方さえわからなくなってしまったボクら自身を立て直さないと断片化社会に溺れ、その日暮らしの快楽主義にはまりこんでしまう。

そんなわけで、西垣通のこれからの仕事に注目してます。

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Comments

yocさん、こんにちわ
まぁ、ことある毎に、至る処で、書いていますけど
ぼくは<褒められること>が、どこの誰よりも好きです。
ありがとうございました。

Posted by: it1127 | 2004.05.15 at 04:58 PM

it1127さん

上手すぎです。
やられましたm(_ _)m。

Posted by: Yoc | 2004.05.15 at 10:42 AM

it1127さん

it1127さんのコメントに書かれた気分が、いまの時代の気分のようなんですよね。
で、これってとっても気持ち悪い。
誰がこんな時代をつくったんだか。。it1127さん?

Posted by: ono | 2004.05.15 at 12:16 AM

onoさん、おはようございます。
そうですね、みんな人それぞれの現実を生きているわけですね。それも同時に多重の現実を。それでも、同じ現実を生きている仲間を見つけては、束の間、ホットしたりしながら、かろうじて生きる気持ちを絶やさず生きているわけですね(ぼくの場合)。この混沌とした多様の現実の海を溺れそうになりながらも必死で泳いで、ときおり訪れる板切れにしがみつき、束の間の休息を得たりしながら、いつか泳ぎ着くかも知れない、永遠の大陸を夢見て、今日もふわふわ漂ってる自分、なんちゃって!

そうですか、西垣通、生命ですか。注目すべき一人ですよね!

Posted by: it1127 | 2004.05.14 at 12:10 PM

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