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2004.03.06

あなたの会社に足りないものは何ですか?あなたの働き方に、足りないものはなんですか?

★「言葉」は、「うっ」「ぐっ」と唸らされた言葉を備忘録代わりに記述していこうとするもので、カテゴリー「心と体」に当面は蓄積していきます。
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 数字の目標は必要だが同時に必要なのが「言葉」の目標なんです。
 

   右手に「ロマン」
   左手に「ソロバン」
   心に「ジョーダン」を。

   そして「オモシロイ」。
   面白さが出てこないと活性化はとてもできないんじゃないか。


★  ★  ☆

個と組織の新しい関係プロジェクト」より。
伊藤邦雄/一橋大学教授、くらたまなぶ/あそびとまなぶ事務所代表、小林陽太郎/富士ゼロックス会長によるディスカス。

くらた氏の発言が光ってる。

予算のような数字の目標は必要ですね。でも同時に必要なのが、言葉の目標なんです。機械、バイオ、情報、どんな業種でも組織を成り立たせている根っこの部分には、算数と国語しかないと思うんです。数字の目標だけを求めても絶対に儲からない。言葉、つまり国語があってはじめて、現場も動くんだと思いますね。
どんなに小さい案件でも大きな新規事業でも、必要なのは「ロマン」と「そろばん」と「冗談」だと思っています。企業にロマンがあることで、お客さんはその見返りに“チャリン”とお金を支払ってくださる。ラーメン屋さんなら、「くらた豚骨ラーメンで満腹と幸せを」というように。逆に、あらゆる味で勝負するのであれば、自ずと商品開発も店の体制も変わってきますよね。
その一方で、そろばん=目標を達成するには、サッカーやバスケットボールを見れば分かるように、いい意味での歯車が必要不可欠だと思います。少し実務的に言えば、ロマンを決めるときに大事なことは、従来の縦の組織で実践すると失敗する可能性が高いということを認識することなんです。つまり上の人間の経験則や知識というのは、今の現場=マーケットからは離れている可能性が高い。「近ごろは高級料亭ばかりで、ラーメンなんて食べていないよ」。上司がそういうこと言えば、議論ができないわけです。
だから本当に大事なのは、上司と部下とお客さんがいたとして、現場に近い若いメンバーがまず吸収して、それをフィードバックするような体制をいかにつくっていくかということであり、面白いことだし、一番努力しがいがあるはずですよね。

そしてそういった組織であるなら、たとえ苦しい時でも意欲や愛情や情熱をベースにした冗談を言い合えるし、みんなで頑張ろうっていう姿勢が自然に生まれると思うんですよね。

☆  ☆  ★

この対談のくらた氏の発言でもう1つ重要な指摘があるので、それは別記事に。

しかし思うのは、2つ。

1つ。
「ロマン」であれ「おもしろさ」であれ、この成熟時代にはそう簡単には発見・生産できないんじゃないか。
高度成長期にそれは、あちこちにころがっていた。
「ロマン」や「おもしろさ」はおもに「成長による楽しみ」によって大量に生産され、それがまた新たに「ロマン・おもしろさ」を再生産していた。

いま企業活動に「おもしろさやロマンを求めてもそれはない。虚妄だ」と若い人は気づいているんじゃないか。

もう1つ。
「ロマンやおもしろさ」の周縁にエモーショナルキャピタルが重要という発想がある。
対談の中では伊藤邦雄教授がこう言っている。

しかしこれまで日本の経営者が、ややもすると楽観視し過ぎたのが、「エモーショナルキャピタル(情的資本)」なんですね。社員のエモーショナルキャピタルを高めて、さらに成果主義があれば必ず活力がでてくる。成果主義とエモーショナルキャピタルを高めるようなコーポレートブランドを中核に置いた経営が、突破口になるんじゃないでしょうか。

いま流行?のモチベーションの問題・組織活性化の問題もこの周縁なんだけれど、でもそれって、あまりにも嫌らしくないですかねぇ。

誰かに知らぬうちに「やる気」にさせられている状態って不気味だ。

「やる気が出させたろか?」って言われたら「おまえになんか出させたれたくもないわっ!」って思う。
「やる気にさせたろか」って状態は、柔らかいオウム真理教じゃないのか?

★  ☆

ボクらは、企業に「面白さやロマンが既にない」ということを概ね知っている。

にも関わらず、企業で組織生活をすることを自分に課すのであれば、いったいなにを求めているのか、そうしてなにを我慢するのかをしっかりと考えないとならないと思う。
ここをさぼると「会社が悪い」「社長が悪い」と言い続けてストレスを溜めまくり悔いと無力感という退職金を持って定年を迎えることになる。

逆に「企業に面白さやロマンはないのだ」と捉え、企業や組織生活や仕事内容などに期待せず、そこそこ気楽に快楽的にやり過ごし、仕事以外に楽しみや生きがいを求めた方が豊かな時間をおくれるかもしれない。

と言っても、組織生活以外で人生の楽しみや生きがいを発見するという事のほうが、更に困難なのが「いま」なわけですけれどね。
しんどいことです。

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Comments

it1127さん

>こんにちは。涙が出るほど、しみじみとした記事です。

この記事を読んで「しみじみした」と書く見識はit1127さんならではだなぁ とその慧眼をあじわっておりましただす。

Posted by: ono | 2004.03.06 at 06:52 PM

こんにちは。涙が出るほど、しみじみとした記事です。

>と言っても、組織生活以外で人生の楽しみや生きがいを発見するという事のほうが、更に困難なのが「いま」なわけですけれどね。しんどいことです。

しんどいです。考えれば考えるほどしんどいです。上に立つ真面目な人はさらにしんどいと思います。[自分の言葉が虚しいと知りつつ、言わなければなりませんから]

一番楽なのは、その「しんどさ」と真っ向から勝負することかな。前門の虎、後門の狼。「しんどさ」さから逃げるのが一番「しんどい」。

Posted by: it1127 | 2004.03.06 at 04:02 PM

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