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2004.03.16

コミュニケーションの方法-若い人の方が柔軟なのだ

★「言葉」は、「うっ」「ぐっ」と唸らされた言葉を備忘録代わりに記述していこうとするもので、カテゴリー「心と体」に当面は蓄積していきます。
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 対面型のコミュニケーションで会話を主導するのは受ける側である。
 受け手の表情や身振りから話の送り手は彼(彼女)が何を伝えたいのか
 その意思を読み取り、話をはじめることで会話が成立する。

 受け手が主導するコミュニケーションと考えていい。

  
★  ☆

中央公論4月号「特集:ケータイ文化は退廃堕落社会の予兆か」の「ケータイを敵視する“メディア一世”たちの傲慢」武田徹より

★  ★  ★

この論文、ものすごい。
それこそ「うっ」「ぐっ」なのです。

コミュニケーションに対する捉えを180度逆転させてくれる♪

そしてこの捉えこそが、これまでの「直接コミュニケーションこそが大事」という正しそうな物言いに対して「そうかもしれないが、しかし何だか違和感があるんだよなぁ」というボクの異物感を表現してくれている。

上記の引用の前後で重要な部分を以下に打ち込む。
ちょっと長くなるけれど、とてもステキな論文なので。

★  ☆  ★  ☆

メディアを介したコミュニケーション、特にマスメディアを介した例では、受け手がどう対応するかは想定されず発信者側が自分の意志を伝えることで始まるコミュニケーションといえる。(略)

発信者主導のコミュニケーションである。

メディア一世(年代的に50~60歳ぐらい)はメディア経由のコミュニケーションの影響を強く受け、対面型コミュニケーションの訓練を十分積まずに大人になった年代と解釈してもいい。そして彼ら彼女らこそ、まさに若者たちの親の世代である。

このメディア一世の世代では、たとえば子どもの発しているメタコミュニケーション、顔の表情、身ぶり、しぐさの意味することが読み取れていない。子どもと対面していながらその表情を読み取れず、発信者側からのメッセージの提出に終始する。

「あんた、どうしてこの問題ができないの。しようがないわねぇ」と疑問型で問題提起をし、説明を求め、結局解答も自分で用意してしまう。

結果子どもを追いつめる。

子どもはどこがわからないか言葉で説明できないから困っているのに、その困惑している表情を読み解こうとしない。態度の不自然さに目をやろうとしない。(略)
親であり、対話者であるならば、まず前提として、対面する相手の表情やしぐさから読み解き、抱えているかも知れぬ不安を解消してやることから進めるべきなのに。

しかし当人は子どもと十分コミュニケーションを取っていると理解しているから、問題がどこにあるかがわからない。

メディア二世のケータイにおけるコミュニケーションの取り方はどうか。

ケータイはふつう1対1で対話をする。その意味で疑似対面型コミュニケーションと形容していい。(略)

メディア二世は、「ケータイ共同体」の仲間に向かっては「いまいい?」「いまどこ?」「いま何してる?」から会話を始める。あらかじめメールを送って「いま電話していいか?」と確認してから電話をかけるケースが多いという。

つまり、つねに自分の電話が相手にとって迷惑にならぬよう気遣いするのだ。そして状況を確認してからコミュニケーションに入ろうとする。(略)

メディア一世と異なり相手やその周囲のことを考えて、負担にならぬよう驚くべき礼儀正しさで気遣いしながら手探りをしている。

☆  ☆  ☆  ☆

旧世代のコミュニケーションは一方的で傲慢なカタチであるが、その子どもたちの世代は、親世代を反面教師とし受信者主体の柔軟な双方向型に戻そうと試みているのではないかと武田徹は解釈する。

この解釈、ボクはボクの体験込みで賛同する。
これまでの直接対面型コミュニケーションのボクらの経験は、うっとおしく面倒くさく苛立つ経験だった。

武田徹は、「ケータイ共同体」を経験する若い人たちの柔軟なコミュニケーションに、「会社共同体」で閉じたムラ秩序の上に成り立っていた大人たちの傲慢なコミュニケーションにはなし得なかった「自分たち以外の他者」との接続可能性という希望を見いだしている。

魅力的な解釈。ステキな解釈なのです。

☆  ★  ★  ★  ☆  ☆  ★  ★  ☆  ☆

【2004.3.17追記-メディア1世と2世の対比】
it1127さん(左サイドバーにもリンクがあります)がコメントで、メディア1世とメディア2世を端的に整理してくれたので、追記しておきます。

it1127さん ありがとうございました♪

■メディア1世(年代的に50~60歳ぐらい)のコミュニケーション
 ○一方的○発信者主導○傲慢○頑固○ムラ共同体○縦の繋がり重視。

■メディア2世(ちょうどメディア1世の子どもにあたる)のコミュニケーション
 ○双方向○受信者主導○気遣○柔軟○ケイタイ共同体○横の繋がり重視

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Comments

onoさん、おはようございます。
>の部分を 記事本文に【追記】で埋め込みたいのですが良いですか?
もちろんですとも。そういう扱いをされると嬉しいです。[照笑]
>中央公論4月号、武田徹論文の直後に無根拠な若者批判論文が掲載されているんで笑えるんですよ。
そういう編集だったんですね。納得!
面白そうなので、本屋に行って確認してきます。

Posted by: it1127 | 2004.03.17 at 10:53 AM

JUNSUKE さん
コメント残して頂きありがとうございます。

ところで、 JUNSUKEさんのURLで飛んでいくところは なに?別版っすか?

Posted by: ono | 2004.03.17 at 10:45 AM

Yocさん
良く来て頂き、そのたびに刺激的なコメントを残して頂き、めちゃんこうれしく、onoは庭を駆け回っています♪

「最近の若者は」と永遠に繰り返されるこの言葉を、ボクは若い頃に「ったく、オヤジってぇのは」と忌々しく思ってたのです。

その分、オヤジになってから「最近の若い奴は」と自分で思う時に、世代錯誤をやってしまってるんじゃないかと脅える良い経験になってるかもと思ったりします。
武田徹の若さと立ち位置に乾杯! とばかりにこういう論文を「おお!すげぇ」と思うわけです。

例の正剛さんも、若い頃の正剛さんの仕事は凄いんだけれど、単なる日本文化オタク化を強めているだけじゃねーかと世代のやむなさを思い淋しくなったりするんですよねぇ。

Posted by: ono | 2004.03.17 at 10:44 AM

it1127さん
端的な見事な整理、ありがとうございます。

ちょっとご相談ですが、この端的な整理
『>メディア1世-- 一方的/発信者主導/傲慢/頑固/ムラ共同体/縦の繋がり重視。メディア2世 -- 双方向/受信者主導/気遣/柔軟/ケイタイ共同体/横の繋がり重視』
の部分を 記事本文に【追記】で埋め込みたいのですが良いですか?

>メディア1世の悪い面、メディア2世の良い面だけが目立ち過ぎてないか

この論文の立ち位置が、無根拠なケータイ世代批判への対抗なので、まぁいいかなと思ってます。
で、この中央公論4月号、武田徹論文の直後に無根拠な若者批判論文が掲載されているんで笑えるんですよ。
編集もあそんどるわ と思ったです。

Posted by: ono | 2004.03.17 at 10:34 AM

私のログを覗いていただいてありがとうございました!
「コミュニケーション」、大切なテーマですね。
相手の言葉の真意を受けとめることが大事ですよね。
私はそういう「思いやりをもつ」ことを重視しています。

Posted by: JUNSUKE | 2004.03.16 at 05:44 PM

こんにちは。
これ、やられました。今まで極めて個人的なこと(親子の関係)だと思ってたことが、あの時代の日本における普遍的なことの一例にすぎなかったんだと気付かせてくれました。なんというか、いい意味で諦めがつきました。

1億総白痴化とはこういうことだったのか!?(笑)

Posted by: Yoc | 2004.03.16 at 03:26 PM

おはようございます。
見事に色分けされていて、分りやすいし、いちいちごもっとも。突っ込むところがありません。
>メディア1世-- 一方的/発信者主導/傲慢/頑固/ムラ共同体/縦の繋がり重視
>メディア2世 -- 双方向/受信者主導/気遣/柔軟/ケイタイ共同体/横の繋がり重視
しかし、メディア1世の悪い面、メディア2世の良い面だけが目立ち過ぎてないか。どーだろう?
わたしの、イメージ
メディア1世[逞い] -- 打たれズヨイ/言い合いできる/近くの嫌な奴とも何とか付き合う-->対話慣れ
メディア2世[ひ弱] -- 軟弱/言い合いを避ける/遠くの気の会う相手としか付き合わない-->対話不全
メディア1世の良い面、メディア2世の悪い面と思われるものを挙げてみた。どーだろう?

Posted by: it1127 | 2004.03.16 at 02:10 PM

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