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2004.01.05

多重人格社会での発言

Tigerさん経由、ぴっくあっぷさん経由で伊藤社長のblogにいきついた。

アイデンティティの多面性を持つワタシと公的で保守的なワタシという浅いアイデンティティの対立の問題。おもしろい。

ちょっとだけ感じたことをかいておこ。

[ Joi Ito's Web - JP: ブロガーの壁と多面性の崩壊、および魔法の数字150について ]
デーナ・ボイドは、多面的なアイデンティティの決壊についてよく話をしている(僕はしょっちゅうリンクを張ることで彼女の言論のコンテクストを決壊させてます)。以前ダナが「お母さんにブログを見つかっちゃった」という記事を引用していた。これはアーヴィング・ゴッフマンが『行為と演技—日常生活における自己呈示』の中で言っていた「人間は相手によって言動を変え、異なるアイデンティティの一面を提示する」ということにも関連すると思う。
ウェブログで問題になるのは、読み手が多様なコミュニティに属するバラバラの人間であるがゆえに、書き手のアイデンティティの多面性は決壊し、結果として、公的なアイデンティティとしてはある意味「浅い」人格を選ばざるを得なくなるということだ。

書き手が公的になったときに「うまくブログで深く言えなくなる」という事なんだけれど、このやっかいな問題、読み手から考えるとこんな状況ではないのかなぁ。

つまり、読み手も既に、小さな世間をいくつも持つ多重人格的な多面性のアイデンティティを持っている。その場面場面では結構深い話をしている。
そんな中で、浅い公的人格で語られたとして、そんな建前論にもう乗らなくなっている。おもしろくないんだものね。

だから、だからこそ、この引用したジョイさん(!)の記事は共感するんだ。
本音だもの。
公的ワタシは深い私的なことを書きにくいと感じてしまっているのだと書くその私的な深いこの記事がおもしろい。自己矛盾的吐露の文章だから、そうなんだなぁ、わかるなぁと共感する。

やっぱり、深さと軽快さの奥行きに「それだよ!それ!」と読み手を動かすものがある。
Tigerさんのこの↓記事、このスタンスだよな。

[ あそびをせんとやうまれけむ: ブロガーの壁 ]
これからは自分の声の大きさを知れという言葉をかみ締めていきたい。 詳細は [ StarChartLog @cocolog: 自分の声の大きさを知れ ]
という記事を見て、なんとなく、違和感を感じ、ずっと引っかかってきたんですが、「不用意にして不遜な私の発言」って、σ(^^;)的にはとってもOKなんですね。誤解もまたおもしろいと。

で、この奥行きの記事ですっげぇなぁと思うのは、やっぱりhighbiscusさんのこの記事、「今日カレー食べた」でもアリ論 が抜群の見解だなぁと思う。

[ 「今日カレー食べた」でもアリ論 : highbiscus -北国tv ]
ターゲットが万人向けでなければWeblogじゃない!チックな考えは俺間違ってると思う。夢見ガチなヒトの「Weblogとはジャーナリズムだ!」思想に毒されてると思う。そんなことはぜんぜんないと思いますよ。レッシグが赤ちゃん乗せたりただの日記じゃねーか。Weblogスタイルのサイトがみんながみんな、論壇人ごっこしてたり記者ごっこしてるほうが気色わりぃ。
いろんな多様性を俺は認めたい。それぞれのサイトはそれぞれターゲット別にあって当然で、狭いターゲット向けの記事を発信するサイトもあって当然のはなし。
みんながみんな世に問う記事を発信せないかんなんてのは俺は思わんです。
(俺がそういう個人のプライベート日記読みを好むかは別の話しで。個人的には知人のであってもマジ興味ネェ)


結局、伊藤社長のこの言葉あたりにオチがあるわけだけど。。。。

[ Joi Ito's Web - JP: ブロガーの壁と多面性の崩壊、および魔法の数字150について ]
政治的なレベルに持ち込んでしまうよりは、気持ちとか感情のレベルでブログをやっている方が、よっぽどやりがいがあるのかもしれない。ただ、気をつけなきゃいけないのは、ある日突然有名になっちゃったり、母親に見つかったりして、それまで築いてきたコンテクストがいきなり瓦解しちゃうこともあるということ。
自分のブログのオーディエンス、およびアイデンティティの多面性を管理することはとても難しい。これを本気でやろうとすると、オンラインでも実生活でも、人生最大級の苦労を強いられる。

1つだけ、いやね~と思うのは「多面性の管理」っていう最後のパラグラフかな。「多面性の管理」、それ無理ですよね。
市場に自分で自分を投げ込んだんだから、あとは管理できない。運を天に任せる。神に祈る。くらいですよね。

コントロール可能なのは、市場に自分で自分を投げ込むかどうかの部分だけ。

そういやぁ、ずいぶん前だけれど、とあるでっかい菓子会社のトップが「オレ、言いたいこと言えないんだよ」とおっしゃってたなぁ。当時よりはみんな言いたいこと言ってるし、言いたいこと言わないと、誰もきいちゃいないもんね。

魂で語らないとなと最近つくづく思う。

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Comments

calyxさん、トラックバックしていただいてありがとうございます。
ご挨拶でコメントまで頂きめっちゃ感謝してます

「激しく同意」はなつかしー♪

これからもよろしくお願いします。
なにもなくてもどこでも手当たり次第にコメントつけていただくのもうれしーです。

Posted by: ono | 2004.01.06 11:36 PM

はじめまして、こちらへは少し前にランダムリンクで辿り着いてから面白いなぁ~と拝読していたのですが、「つまり、…」のパラグラフに特に「激しく同意」でしたので引用させていただきました。(トラックバックなるものも初めて使ってみました。コメントと両方つける意味はないのかもしれませんが、私が仕組みをよくわかってないのと、突然で不気味かもしれないので一応コメントも。)今後とも楽しみにしています。

Posted by: calyx | 2004.01.06 11:32 PM

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» http://d.hatena.ne.jp/calyx/20040105#p2 [はてなダイアリー - 帰宅系。]
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Tracked on 2004.01.06 11:17 PM

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