« 良い歳のとり方・個性の磨き方 | Main | 働くということ~青色LED訴訟をどう感じるか »

2004.01.31

働くということ

日本経済新聞の朝刊で「働くということ」という連載をずっとやっている。
一昨日からは「この人に聞く」。
有識者のインタビューの連載がはじまった。

昨日は村上龍、今日は玄田有史だった。
玄田有史の「仕事の中の曖昧な不安」は良い本だった。

今日の玄田氏のインタビューからポイントを。

「(自分の希望する仕事がわからない人が希望する仕事を)どう見つけるか。自分でとことん悩むしかないが、自分を鏡で見ているだけでは無理。カギになるのは社会学で言う『弱い紐帯(ちゅうたい)』だ。
自分とは違う生き方、価値観、働き方の人たちとの緩やかなつながりを持つ中で、初めて『こういう生き方があるんだ。自分にもできるかもしれない』という可能性が見える。たまにしか会わないが、信頼できる人間関係をどう築くか。政府の雇用対策ではない。自分でできる対策だ」

弱い紐帯(るび:ちゅうたい~つながり)とは、Granovetterのネットワーク論で「日頃あまり会わない人とのネットワークの方が効果する」という理論。

さっすが玄田さん、と言いたいところだが、この仮説はきっと全然違う。

弱い紐帯をはりめぐらしていたとしても、ボクらが出会える「異質な働き方」のモデルや背中が少ない。一人ひとりを細かく見ると同じサラリーマンでも違うけれどその差はわずか。
そんなわずかな差を「めったに会わない弱い紐帯のネットワーク」で識別できるわけがない。

ボクらが出会える働き方に多様性がないのだ

★  ☆

社会人になって、初日、2日目と通勤していて背中にイヤな汗が流れたことがある。
通勤で同じ車両に乗ると同じ顔ばかり。

ボクは「えっ!?これを一生繰り返すの?」とゾッとした。

プロ野球の選手のスイングも日本は型にはめようとするのだとどこかで聞いたことがある。
だから、大リーグのような個性的なスイングは見られない

規則だたしく、集団規範を守る。
それがボクら日本人がうまく生きていくための暗黙のルール・文化だったのだからしようがない。

以前も書いたけれど、日本人に個性がないのではなく、物理的な空間が狭いから集団準拠にならざるをえなかったんだろうと思っている。

☆  ★

さて同じ日経の中で玄田氏のインタビューに良い言葉だな と思ったのはここ。

「これからのキーワードは『育成』だ。一人前にする、一人前になってみせるという価値観。不況下でも伸びる中小企業の経営者は『そんなにカネは払えないが、お前をちゃんと一人前にする』と従業員に言い、信頼関係ができている」

おまえを一人前にする。なかなかいい言葉だわ。
こういう言葉を言える人、自信を持った上司が少なくなったもんな。

でね、毒吐きますが(ぴゅっぴゅっ)

根本の問題はきっと「一人前にしてやる」という自信を持った上司が少なくなったのが「働く意味を問うてしまう人が多くなった原因」なのですよ。

だから、この玄田氏の提案はトートロジーなのだわ。
まったく解決策になってない。

「自信を持った上司」がとにかく必要。ホントに必要だと思う。
で、上司が自信を持つための環境づくりが必要で・・・・成果主義なんてやってたら上司はビクビクしてしまい、ますます自信をもてなくなる。。。会社、終わっちゃいますね。。。

終わっちゃうよ~~~~っ。

|

« 良い歳のとり方・個性の磨き方 | Main | 働くということ~青色LED訴訟をどう感じるか »

Comments

名無しさ~~~ん、批判はあるべきです
が、ミスリードだし、名無しだし・・・・

Posted by: ono | 2004.01.31 01:08 AM

規則だたしく、集団規範を守らなくても、キミら日本人がうまく生きていくことはできるかもしれないのだが?「自分でとことん悩むしかない」が、「自分を鏡で見ているだけでは無理。」
そのままコメントするしかないです。
べつに「一生これを繰り返してくれ」とは誰も頼んでいないわけだし。
きついけどごめんね

Posted by: | 2004.01.31 12:52 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 働くということ:

» 「雇用条件の悪化による若年層の弱者化」 [0 1/2]
「雇用条件の悪化による若年層の弱者化」 高等遊民的にやっていける「 [Read More]

Tracked on 2005.09.04 07:41 PM

« 良い歳のとり方・個性の磨き方 | Main | 働くということ~青色LED訴訟をどう感じるか »